収納グッズを買えば部屋が片付くと思っていた。でも買うたびに、部屋はむしろごちゃごちゃした気がしていた。
この記事は「収納グッズを増やすのをやめたら、逆に部屋がすっきりした」という話だ。ずぼらが「増やさない」に辿り着いた経緯と、実際に変わったことを正直に書く。
この記事でわかること
- 収納グッズを買っても片付かない理由(構造の話)
- 「増やさない」を決めたきっかけと判断基準
- やめてから3ヶ月で変わったこと

収納グッズを買うたびに、なぜ片付かなかったのか
「収納が足りない」は本当か:実は別の問題だった
収納グッズを意識的に買い始めたのは、一人暮らしを始めた直後だった。1Kの部屋で、ものが散らかる。片付かない。「収納が足りないから」と考えて、100均に行く。ケースを3個買う。すっきりする。
しばらくしてまた散らかる。「もっと収納が必要だ」と考えて、またケースを買う。気づいたら棚の上に100均のケースが6個並んでいた。
でも部屋はあんまりすっきりしていなかった。なぜか。
収納が足りなかったんじゃなくて、ものが多すぎたのだと気づいたのは、かなり後のことだった。収納を増やすと、「入れられる量」が増える。入れられるから、ものを捨てなくていい。結果的に、ものの総量が増える。
「収納が足りない」は、たいていの場合「ものが多すぎる」という問題の言い換えだった。
グッズを増やすと「入れられる量」が増えて、物が増える
これが最大の逆説だと思う。
収納グッズを増やすと、一時的にすっきりする。全部収まるから。でもそのすっきり感は「収納に余白ができた」状態と同じで、「ここにまだ入れられる」という感覚が生まれる。
新しいケースを買う→入れる→余白ができる→入れる、というループが続く。ケースが増えた分だけ、ものを増やしてしまう構造になっていた。
ものを減らさない限り、収納グッズをいくら増やしても根本的には解決しない。これに気づくまでにそれなりの時間がかかった。
種類がバラバラで、管理コストが高かった
もう一つの問題が、収納グッズの種類がバラバラだったことだ。
100均のA4ケース、ニトリの仕切りケース、無印の引き出し式ファイルボックス、とそれぞれ違う用途で買ったものが混在していた。どれに何を入れたか覚えていない。同じ用途のグッズを2個買っていた(存在を忘れていたから)。似たような見た目のケースが並んでいると、中身を確認しないとわからない。
収納グッズ自体の管理コストが生まれていた。グッズが増えるほど、管理する手間が増えた。ずぼらにとってこれがきつかった。
「増やさない」と決めた日の話
100均のケースが6個になった時点で気づいた
引越しのとき、全部の収納グッズを一度出した。棚から出してみると、空のケースが4個あった。
中身のないケースが4個、部屋の中に存在していた。「あとで使うかも」と思って取っておいたケースが、全部空のまま場所を取っていた。
その瞬間に「あ、これは意味がない」とはっきりわかった。収納グッズ自体が、管理しなければならないものになっていた。どこに何があるか把握して、空になったら別の用途を考えて……という管理コストが発生していた。しかも、そのグッズのために棚のスペースが使われていた。
決断の基準:今あるグッズで収まらないなら、物を減らす
「もう増やさない」と決めてから、判断基準はシンプルになった。
今ある収納スペース・グッズで収まらないなら、ものを減らす。収納を足すのではなく、入れるものを減らす。
逆転した、と思った。今まで「ものに合わせて収納を増やす」という発想でいたが、「収納に合わせてものを減らす」に変えた。収納グッズの数が「持てるものの上限」を決める役割になった。
これが、実はずぼらにとって相当ラクな仕組みだとわかった。「どれを捨てるか」という判断の代わりに、「収納に入らないなら捨てる」という機械的なルールができた。迷う余地が減る。
実際にやめてから変わったこと
部屋のごちゃごちゃ感が減った:グッズ自体が視覚ノイズだった
「増やさない」を決めてから3ヶ月で、収納グッズを12個から5個に減らせた。
空のケース4個はすぐに捨てた。中身が少ししかないケースは統合した。結果、棚の上がかなりすっきりした。
ここで気づいたのは、収納グッズ自体が視覚的なノイズになっていたということだ。種類の違うケース(100均・ニトリ・無印と3種類混在していた)が並ぶと、見た目がまとまらない。統一感がない。グッズ自体がごちゃごちゃ感の原因だった。
収納グッズを減らしたら、むしろ部屋がすっきり見えるようになった。入れてあるものは同じくらいなのに、ケースが減っただけで視覚的な印象が変わった。これは正直予想外だった。
収納グッズを管理するコストがなくなった
6個ケースがあった時期、「どこに何が入っているか」を毎回考えていた。似たようなケースが並んでいると、どれに何を入れたか忘れる。開けてみて「あ、これじゃなかった」が頻繁に起きていた。
5個に減らして、それぞれの役割を決めたら、管理コストがほぼゼロになった。開けてみる、ということ自体が減った。どこに何があるかが、感覚的に把握できる量になった。
ずぼらにとって「管理コスト」は地味にきつい。ケースを減らしたことで、そのコストが消えたのは思ったよりも大きかった。「あそこに何入ってたっけ」を考えなくてよくなっただけで、なんだかんだ生活がラクになった。
「収まらない=物が多すぎるサイン」がわかるようになった
収納グッズを増やさないルールにしてから、「収まらない」ことが「ものが増えすぎたサイン」として機能するようになった。
以前は「収まらない→収納を増やす」だったが、今は「収まらない→どれかを捨てる」になった。サインの受け取り方が変わった。
これが一番大きな変化だと思う。「ものを増やしたくなったとき」に、自動的にブレーキがかかるようになった。収納に余白がなければ、増やせない。増やすためには捨てる必要がある。この構造が、自然にものの量をコントロールしてくれている。


今も続けるために決めていること
1in-1outより先に「今あるもので収まるか」を確認する
「1in-1out(1個入れたら1個出す)」は有名なルールだが、私には少し難しかった。同種のものを出すのか、何でもいいのかが曖昧だったから。
今はもっとシンプルにしている。何かを買う前に「今の収納に収まるか」を確認する。収まるなら買う、収まらないなら買わない。
これだけ。「出す前提で入れる」より、「入れる前に確認する」の方が判断が早い。
例外を作らない:「これは特別」が積み重なるから
「これは特別だから」という例外を一度作ると、次の「これも特別」が生まれる。特別が積み重なると、ルールが機能しなくなる。
なので例外は作らないと決めている。「これは特別に置いていいかも」と思ったとき、その感情は「捨てたくないから」の言い訳である場合がほとんどだとわかってきた。
とはいえ、そこは人間なので。年に数回は「まあこれは置いておこう」と判断することもある。その後捨てることになるのがほぼ確定しているとわかっていても、そのときは置く。
収納グッズを買う前に「なぜ収まらないか」を考える
収納グッズを増やしたくなる瞬間は、たいてい「収まらなくなったとき」だ。そのタイミングで一度立ち止まるようにしている。
「収まらない」理由はほぼ2パターンある。ものが増えた、または今の収納の使い方が非効率だ。
ものが増えたなら、何かを捨てる。収納の使い方が非効率なら、今あるグッズの配置を変える。どちらにしても、新しいグッズを買わずに解決できることがほとんどだった。
案外、グッズの問題というより「配置の問題」だったケースが多かった。中身を取り出しやすい向きに変えるだけで、「収まらない」と感じていた問題が解決したことが何度かある。グッズを買う前に配置を変えてみる、というのが今の判断順序になっている。
向いていない人もいると思う:ぶっちゃけた話
このルールが万人に合うとは思っていない。
大家族や、実用的なものを多く持つ必要がある人には、「収納グッズを増やさない」は現実的でない場合がある。特定の趣味や作業のために収納が必要な場合も同様だ。
一人暮らしで荷物が少ない環境だから続けられている面もある、とは思っている。持ち物の絶対量が少ないと、収納の限界を超えにくい。
あと、これは「部屋をシンプルに見せたい」という目的には有効だが、「ものを整然と管理したい」という目的には必ずしも合わない。ものを減らすことが前提なので、「全部持ちながら整理したい」人には向かない。
どんな方法も、自分の環境と目的に合っているかどうかで判断した方がいい。私には合った、それだけの話だ。
まとめ
収納グッズを増やしても部屋が片付かなかったのは、ものが多すぎたからだった。グッズを増やすと入れられる量が増えて、結果的にものが増える構造になっていた。グッズ自体が視覚ノイズになっていたことにも気づいた。
「増やさない」に決めてから3ヶ月、収納グッズを12個→5個に減らした。部屋のごちゃごちゃ感が減り、管理コストがほぼゼロになり、「収まらない=ものが多すぎる」というサインが機能するようになった。
一番大きな変化は、「ものを増やしたくなったとき」に自然とブレーキがかかるようになったことだと思う。収納グッズの数が、持てるものの上限を決める。シンプルなルールで、ずぼらでも続けられている。
整理収納全般の考え方については、ハウスキーピング協会のサイトで整理収納の基礎知識が解説されている。私のやり方は専門家の方法とは違う部分も多いが、「ものの量を管理する」という基本的な考えは共通していると思う。
ものを増やさない暮らし方については、国民生活センターでも「計画的な購入」の考え方が紹介されており、「必要かどうかを買う前に確認する」という習慣の重要性が言及されている。
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