物を持たないほうがお金が貯まった——ずぼらミニマルの家計記録

シンプルライフ思考

節約しようと思ってやったわけじゃない。

物を手放していったら、気づいたらお金が残るようになっていた。「ミニマリストになれば節約できる!」みたいな意識高い話をしたいわけじゃない。

ただ、「なぜ貯まるようになったのか」を振り返ってみたら、ちゃんと理由があった。構造の話だった。

この記事は、物を手放した後の家計がどう変わったかを書く。手放す前の支出の実態から、変化が出始めた時期の実感まで。

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物を手放す前の家計——「なんか余らない」が続いていた

手放す前の月々の支出を思い出すと、日用品費が7,000〜8,000円台だった。一人暮らしにしては多い方だと思う。

シャンプーのストックが常に2〜3本あって、洗剤も余分に抱えていて、化粧品も「安いうちに」と思って買い溜めてた。食品も同じで、冷凍庫に入れておけばいいや、とセールのたびに買っていた。「お得なうちに確保しておく」という感覚が習慣になっていた。

服に関しては、年間6万円くらいは使っていた気がする。出掛けたときに「これ着てみようかな」と思ったら買う、という感じで。ブランドものじゃなくても、プチプラのものを何枚も、という積み重ね。着ない服も増えていくけど、捨てるタイミングもよくわからないまま積み上がる。「いつか着るかも」で取っておいたもので、クローゼットが埋まってた。

月の終わりに残らない、という状態が続いていた。でも「使いすぎた」という感覚もなくて。高い買い物をしたわけでもないし、どこかで散財したわけでもない。なんかよくわからないうちになくなってた、という感じ。

その状態が2〜3年続いてたと思う。収入は安定していて、特に贅沢をしていたわけでもないのに残らない。今思えば「管理できていない物の維持コスト」が積み重なっていたんだけど、当時はそう気づいていなかった。

手放してから変わった3つのお金の流れ

衝動買いが消えた——「今あるもので足りる」が基準になった

物を減らしていく過程で、「持っているものを全部把握する」ことが自然にできるようになってきた。

自分が何を持っているかがわかると、「買い足す必要があるか」の判断がシンプルになる。以前は「なんとなく足りない気がする」でストックを積んでいたけど、実際には足りていることが多かった。引き出しの奥にまだ使っていない文具が3本あった、とか。

雑貨屋を通りかかって「かわいい」と思っても、「置く場所があるか」「すでに似たものがないか」を考えたら大体買わない。それは節約を意識してるんじゃなくて、「もう十分ある」という感覚から来てる。

セールにも弱くなった——いい意味で。「今買わないと損」という焦りが減った。物が少ない暮らしに慣れると、「かわいいけど増やしたくない」という感覚が自然に出てくるので、セールの「お得感」よりも「今本当に必要か」が先に来るようになった。国民生活センターでは衝動買いの防止について定期的に情報を発信しているが、不要購入の多くは「お得感・限定感」に背中を押されているという。

衝動買いをやめようと努力したわけじゃなくて、欲しいと思わなくなったに近い。そのほうが続く。意思力で抑えるのは疲れるけど、「そもそも欲しくない」は楽だ。

ストックを持たなくなって、食費と日用品費が落ち着いた

ストックをやめた。シャンプーは残量が3割を切ったら買う。洗剤も同じ。化粧品も「なくなりそうになったら」が基準。食品のストックも最小限にした。冷凍庫に詰め込まず、週1〜2回の買い物で必要な分を補う形に変えた。

正直最初は不安だった。「切らしたらどうしよう」という感覚が抜けなくて。「ストックがある」安心感に慣れてた。

でも実際に切らして困ったのは数えるほどで、コンビニで買えばなんとかなることがほとんどだった。多少割高になる場面はあったけど、それ以上に「ストックを管理しなくていい」という楽さのほうが勝った。

日用品費が月3,500〜4,000円程度に落ち着いた。以前の7,000〜8,000円台からほぼ半分。「余分に持つ」という習慣が消えただけで、これくらい変わる。

食費も少し落ち着いた。冷凍庫にスペースがないから、セールで大量買いをしなくなった。必要な分だけ、週1〜2回の買い物で補う感じに変わって、食材の消費期限切れもほぼなくなった。農林水産省の調査によると家庭からの食品ロス削減が課題とされているが(農林水産省)、うちの冷蔵庫から廃棄するものがほとんどなくなったのはストックをやめてからだった。

管理コストがゼロになった

物が多いと、物を管理するコストがかかる。意識しにくいけど、積み重なるとそこそこの金額になる。

たとえば収納グッズ。物が多いと「収めるための箱や棚」が必要になって、そこに追加の出費が発生する。私は以前、100円ショップの収納グッズをわりとよく買っていた。1つ1つは安くても、年間で2,000〜3,000円くらいは使っていたと思う。

クリーニング代も減った。物が少なくなって、素材もシンプルなものに統一したら、クリーニングに出す服がほぼなくなった。ノーアイロンの素材に切り替えたことで、クリーニングと自分でのアイロンがけが両方なくなった。

引っ越しコストも変わった。荷物が少ないと業者への料金も変わる。前回の引っ越しのとき、荷物が少なかったので引越し費用が以前より3〜4万円安くなった。これは大きかった。

「物の管理にかかるコスト」を意識したことがなかったけど、積み上がるとそこそこの金額になっていた。収納グッズ・クリーニング代・引っ越しコスト・管理が大変になって処分した費用。それが全部なくなった。

household budget money management
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手放しても貯まらないパターンもある

正直に書いておくと、物を減らしても貯まらないパターンがある。

それは「減らした分だけ新しいものを買い足す」人。断捨離してすっきりした部屋に、また新しいインテリアを買い揃える、というサイクルに入ってしまうと、出費は変わらない。

私も一時期、物を減らすことがなんとなく楽しくなってきて、「整ったかわいい部屋」に仕上げたくて雑貨を買ったりしていた。「シンプルな部屋に合うもの」として、またものを選んで買い始めてた。本末転倒というか。その時期は出費が減っていなかった。

あと、「貯まった」という実感が出てきた頃に「久しぶりに旅行でも」と気が大きくなって、一気に使ってしまったこともある。構造が変わって収支が改善されても、「残ったお金の使い方」の話は別問題として残る。

物を手放した後にお金が残るかどうかは、「物を減らす目的が何か」にもよる。「かわいいものを選んで厳選する」という目的で始めた人は、物の量よりも「選んだものの単価」が上がることがあって、出費が増えるケースもある。お金が残るかどうかとは必ずしもセットじゃない。

物を減らしてお金が貯まる仕組みは「意識」じゃなくて「構造」だった

結局、なぜお金が残るようになったかといえば、「買う機会が構造的に減った」から。

  • ストックがないから、在庫管理的な買い足し衝動が起きない
  • 収納スペースに余裕がないから、「とりあえず置いておく」が物理的にできない
  • 持っているものを把握できているから、二重買いが起きない
  • 収納グッズ・管理コストがかかる物が少ないから、付随的な支出が減る

節約は「使いすぎないよう気をつける」という意識の話になりやすいけど、物を減らすことで働いたのはそういう仕組みの変化だった。意識に頼るより構造が変わる方が、ずぼらな人間には向いていると思う。

「意識せずに続けられる」というのが重要で、意識して節約しようとするといつか疲れる。でも部屋に物が少なければ、意識しなくても買い足す動機が減る。仕組みとして働いてくれる。

物を減らした後で気をつけていること

貯まるようになってから気をつけてることが2つある。

ひとつは「残ったお金の扱い方」。お金が残るようになった初期の頃、「余裕があるから」という感覚で外食や旅行に使いすぎてしまった。「構造が変わって収入より支出が少なくなった」のと「貯蓄が増えた」は必ずしもイコールではなくて、残ったお金を使う習慣があると結局残らない。手放した後に残るお金をどう扱うかの話は別に考えた。

もうひとつは「質にシフトする罠」。物を減らして「良いものを少なく持つ」という意識が出てきたとき、単価が上がって結果的に支出が増えるパターンがある。「ファストファッションをやめて高品質なものをひとつだけ」という考えは合理的に聞こえるけど、計算してみると必ずしも安くならない。私は「良いものを少なく」より「適切な価格のものを少なく」という方向に落ち着いた。一番安いものを買い続けるわけじゃないけど、「高品質化」を意識しすぎないようにしてる。

手放すことで節約になった分を、意識的に貯金や必要なことに回せるようになったのは物を手放してから6ヶ月〜1年後くらいだった。最初の半年くらいは「なんか残ってる」の実感だけで、どこに残っていくかはまだ曖昧だった。

minimalist simple living space
Photo by Caroline Badran on Unsplash

まとめ:ずぼらでも貯まる理由

物を手放して一番驚いたのは、お金が残るようになったことだった。

日用品費が月4,000〜4,500円減った。年間で5万円前後。服の支出が4万円くらい減った。管理コスト(収納グッズ・クリーニング代等)も年間で1〜2万円くらい削減。引っ越しコストも。合計すると年間10万円以上、自然に残るようになった。

狙ってやったわけじゃなかったけど、それが一番の変化だったかもしれない。意識の話じゃなくて構造の変化で起きたこと。ダイエットも節約も「環境を変えたほうが長続きする」と言うけど、実際に体験してみるとそうだなと思う。

貯めたいなら意識じゃなくて構造から変えると続く、というのが3年間の結論。

あとひとつ気づいたことがある。「節約を頑張ろう」という意識で取り組んでいると、うまくいったときに「ご褒美」で使ってしまう。「我慢してたから」という感覚が反動を生む。でも構造が変わったことでお金が残る場合、「我慢」の感覚がないから反動が起きにくい。意識で抑えてないから、反動で使いたくなる感覚もあまりない。ここが「構造」が「意識」と違う点だと思う。


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